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ペットの譲渡トラブル

鳥の巣のイメージ写真

1 ペットの譲渡トラブル

ペットの譲渡トラブルは、狭義ではペットの所有権の帰属をめぐるトラブルですが、近時、次のような様々な場面で問題となっています。
広義ではペットショップでのペット販売も含まれますが、ここでは除外します。

  1. 里親の募集者と応募者のペットの帰属をめぐるトラブル
  2. 男女の同居解消に伴うペットの帰属を巡るトラブル
  3. 地域ネコの飼養者と保護ネコ活動者とのネコの帰属をめぐるトラブル
  4. ペットの寄託者と受寄者のペットの帰属をめぐるトラブル

今回からはこれらの最近顕著なペットの帰属をめぐる争トラブルについて取り上げます。
今回は里親募集と応募をめぐるトラブルについて考えたいと思います。

2 里親契約のトラブル

(1)里親契約の態様

里親募集と応募は直接の交渉によって行われるほか里親募集応募のプラットフォーム(PF)を介した間接的な交渉によって行われる場合があります。
いずれの場合にもペットの引き渡しは募集者と応募者の直接の対面によって行われますが、募集者と応募者の間ではペットの所有権を移転する譲渡契約(里親契約)が結ばれるのが通常です。

(2)里親契約書

里親契約は募集者と応募者が所定の内容の里親契約書を作成して、それぞれが住所氏名を記載して押印することで成立します。
里親契約書の用紙は、PFが所定の契約書をダウンロードして使用することを義務付けたり、募集者自身が作成する場合が一般的です。
里親契約書のタイトルは、譲渡誓約書、譲渡契約書、里親契約書など様々ですが法的効力は同じです。

(3)トラブルの内容

譲渡後に所有権の帰属をめぐるトラブルが発生する場合には次のようなケースがあります。
募集時や応募時に間違った説明(虚偽説明を含む)がされた場合、譲渡後に譲渡人の気持ちが変わった場合、譲渡後に返還を申し出た里親の気持ちが変わった場合、譲渡人が譲渡後に里親の適性に問題があると判断した場合、トライアル期間の解釈が双方で異なっていた場合などなど様々な場合があります。
里親契約書がキチンとしていて、それらの場合について明確な定義や規定があればある程度の予防や解決の糸口になるかもしれませんが、実際の里親契約書の内容は法律の専門家の関与がなかったのではないかと思われるような杜撰なものが少なくありません。

3 里親契約のトラブルの解決方法

(1)トラブルの特徴

①交渉の不十分

近時の契約に至る交渉はインターネットを通して行われる場合が多いことが特徴的です。PF、SNS、里親募集団体のHPなどを介してマッチングをし、その後、募集者と応募者が個々にLINEや messengerなどのインターネット通信を利用して契約条件の交渉がされますが、短文で未完結なメッセージの断続的なやり取りだけでは申し込みと承諾の有無や契約内容が不明確であり、契約の成否や条件があいまいなままでペットの引渡しが行われてしまいます。
特に、契約の成否、トライアル期間の取り決め、費用負担、解約条件などの重要事項について双方の認識の違いをめぐるトラブルが多いです。
PFや募集団体によっては、単なるマッチングサービスだけではなく、所定の契約書の利用を勧めたりネット上での契約交渉を勧めたりして、契約交渉に関与してトラブルを避ける工夫をしているところもありますが、十分ではありません。

②不正確な情報提供

募集者や応募者が正確な情報を提供しない場合にもトラブルの原因となります。しかし、気に入ったペットの里親となりたい、早く里親に出したいといった事情から事実と異なる記述やあいまいな記述をする方々が後を絶ちません。

③予防策

一般予防としては、弁護士などの関与によって、PFや紹介者、募集者の提供する所定の譲渡契約書などを作成すること(特に先ほど述べたトラブルの多い事項についてはよく考えて規定すること。)、里親紹介制度や譲渡制度のシステムをトラブル予防の観点から改善すること、PFや仲介者がどこまでトラブルに関与できるかを事前に明確に公示しておくことなどの対策が必要です。

夫婦で考え事をしている写真

4 トラブルの対応策

実際にトラブルとなった場合にはどのように対応すれば良いでしょうか?
刑事問題になるケースも報告されているので、刑事、民事の対応を検討したいと思います。

5 刑事問題になるケース

募集者または応募者が相手方を騙して不正な財産的利益を得るために里親募集サイトを悪用する場合があります。刑法上は、詐欺罪(246条)や私文書偽造罪(159条)の問題となります。
例えば、募集者が、先天性疾患のため余命がない犬を健康な犬として高額販売する場合、血統書を偽造して純血種として販売する場合、理由のない高額な金銭請求をする場合など、応募者が、里親となる条件に違反して譲り受けた猫を転売したり、繁殖させたりして不正な財産的利益を得る場合などがあげられます。被害者に財産的損失がなければ刑事問題とはなりません。
虐待事案の場合は動物愛護管理法の問題となります。罰金、拘禁刑。行政機関との連携が有効です。

6 民事問題の場合の対応

(1)類型

以下のケースが挙げられます。

  1. 所有権の帰属が問題となるケース
  2. 金銭請求が問題となるケース
  3. 詐欺等の意思表示の瑕疵が問題となるケース
  4. その他のケース

(2)① 所有権の帰属が問題となるケース

ア 当事務所に来るケースでは一番多いケースです。

所有権に基づいてペットの返還を請求する者(返還請求者)が、譲渡人(募集者)の場合、譲受人(応募者)の場合、いずれもあります。

イ 実際は難しい調停への道

このケースの場合には話し合いに馴染むと思われるのですが、実際は、双方が所有権の主張を譲らないために激しく対立し、話し合いが困難な場合がほとんどです。所有権を譲歩する側には金銭的調整が試みられますが、お金よりもペットを選ぶというある意味自然な選択を双方がするために合意が困難になります。離婚の際の子供の親権の争いに似ています。
この場合の対応は訴訟や民事調停などの権威のある第三者機関の関与による話し合いが現実的です。

ウ 調停ならではの解決方法

所有権があるかないかという裁判(訴訟)的な視点のみを解決基準とするであれば、初めから裁判をすれば良いのであって調停を利用する意義はありません。調停の存在意義は、第三の道を話し合いと合意によって想像と創造することにこそあるのです。
具体的には、法律や契約条項や証拠資料の活用を合意と説得の手段として利用すること、たとえば、共有関係の構築や共同の飼養などの第三の解決基準の創造などが考えられます。あたかも、共同親権や共同監護と同じ発想になります。
蛇足ですが、私は趣味で江戸時代の古文書の翻刻をしていますが、江戸時代の村同士の土地を巡る所有権の争いの裁定には、入会という言葉がよく登場します。これは、裁定機関が証拠だけでは所有権の帰属がはっきりしない場合に双方の共有と同様に扱おうということですが、参考になります。
このように発想の転換をすることにより、調停は訴訟とは異なった輝きを取り戻すことになり、第1回期日から調停不成立となり、訴訟しか解決手段が残らないというお互いに望まない道を回避することができます。

エ プラットフォーム推奨の譲渡契約書の問題点

プラットフォームによっては、自前の譲渡契約書の書式を準備して、譲渡する場合にはそれをダウンロードして使用することを推奨しているものがあります。
少なくても、譲渡契約書の書式がない場合よりも紛争解決の役に立っていると思います。

7 里親契約の譲渡トラブルの具体的対応策

今回は実際にトラブルとなった場合の対応や交渉の仕方について渡邉弁護士の経験から蓄積された膨大なノウハウの一部、ほんの一部に過ぎませんが、紹介したいと思います。

8 里親譲渡問題の特徴

渡邉弁護士が扱うケースでは、里親募集サイトを介してペットが譲渡される場合が増えています。
詐欺問題になるケースもありますが、圧倒的多数は所有権の帰属を巡る問題です。
その場合、譲渡合意があったかどうかが最初の争点となります。
また、譲渡契約書が作られていても、条件付譲渡(トライアルを含む)、譲渡人の譲渡意思の「成熟性」(譲渡意思表示の撤回)、他人の所有するペットの譲渡などが問題となる相談が多く寄せられています。

9 条件付き譲渡(トライアルを含む)

(1)トラブルの予防

里親募集サイト推奨の契約書を使用しても、トライアル期間の定めが不明瞭であるためにトライアル期間中かどうか、ペットの返還条項に該当するかどうか、当事者の事前の説明やプロフィールに嘘があった場合などが問題となります。
この場合は何よりも予防が重要です。
里親募集サイトの契約書を補充する覚書(合意者や誓約書等)を別途作ること、譲渡契約書に署名押印する前の受入環境や飼養方法などの調査などが挙げられます。
また、メッセージやメールのやり取りの経緯や内容は契約書を補充するものであり、客観的な証拠としての位置付けもあります。電話よりも積極的に活用したいものです。

(2)トラブルの対応

ア 契約成立及び内容について

実際に引き渡しが終わってしまった後は、もっぱら譲渡人の返還請求の問題となります(引き渡しを受けた里親から譲渡人に引き渡しを求める場合はそれほど多くはありません。)
譲渡人は譲渡契約書の形式や内容は必ずしも完全ではないので、契約内容を明確化しなければなりません。
メッセージやメールのやり取りの経緯や内容は契約書を補充するものであり、客観的な証拠としての意味もあるので極力保存収集することが重要です。
LINE、Messenger、SMSなどの様々なメッセージアプリがありますが、紙媒体での印刷が容易で、受送信時間が明確に記録されるものがお勧めです。
でないと、1枚1枚スクリーンショットを撮ることになります。

イ ペットの特定

返還請求権者は返してもらいたいペットの特定をする必要があります。
交渉レベルであれば、当事者はお互いに問題となっているペットは分かっているでしょうが、裁判(訴訟)を利用する場合は訴状の別紙などでペットの特定をしなければなりません。
名称、種別や品種、性別、生年月日、外見の特徴などの動物病院に提出する程度の特定では不十分です。
マイクロチップの個体識別番号やペットの画像(顔正面や全身など)でより具体的に特定する必要があります。
訴訟の場合は判決取得後に執行官による強制執行が必要となる場合があるので、どのペットが執行の対象か容易に判別できなければならないからです。

ウ ペットの所在場所の調査

訴訟の場合には特に問題となります。
強制執行のときにペットの所在場所が分からないと執行することができないからです。
他方、交渉段階であれば双方の合意ができれば紛争は解決するので、ペットの所在に執着しすぎる必要はないと思います。
高額な探偵費用の回収は訴訟を誘引することになるのでせっかくの合意による解決の道が制約される可能性があります。

エ 返還交渉戦略と交渉手段の検討

交渉は相手方を説得して合意に至らなければ成功しません。
そのための説得方法を検討しなければなりません。
相手方を分析し、依頼者を分析して、訴訟の勝訴可能性、時間、労力、費用などの交渉資源、交渉環境、依頼者の意向などを考慮しながら、現時点での最適な交渉戦略と戦術を考えます。
マーケティングミックスの構築にも似ています。
詳しくは、当事務所のHPの「法交渉心理学入門(連載)」をお読み下さい。

オ 民事調停の活用

当事務所には日本中からペット問題の相談が集まってきます。
相談内容は、当事者同士の交渉が行き詰まった、これから交渉を始めたいがどうしてよいか分からない、相手方から訴えられた、代理人になって欲しい、他の弁護士の相談が不満、などです。
相談者の意向も多種多様です。
ただし、多くの相談者が訴訟(裁判)を意識しています。
意識するという言葉を使ったのは、訴訟による解決を考える動機が異なるからです。
積極的に訴訟を希望する積極的理由の方から他に方法がないから訴訟を選択するという消極的理由の方、相手が訴訟を起こしたからやむを得ず訴訟に応じるという受動的理由の方など様々な方がいます。
加えて、他のペット事件、例えば、咬傷事故、医療過誤事件、ペットショップなどの事業者間とのトラブルなどとは異なり、双方が所有権を主張し合うようなペット譲渡のトラブルは金銭的解決が難しいので合意による解決が制約される特徴もあります。
しかし、いきなり訴訟ではなく、民事調停の場での合意形成の可能性を検討することが有意義な場合があります。
なぜなら、調停においては、調停が訴訟の前哨としての機能を果たし、予想される訴訟の結果の認識が訴訟を回避し、合意による解決に向けた説得材料となる場合があるからです。
民事調停は「小裁判」と揶揄されることがあり、実際の調停実務を長年経験すると否定できません。
しかし、それを一段高い位置から俯瞰すると、逆に「小裁判」を利用しようという発想が生まれます。もっとも、訴訟と同様の解決方法と解決内容では第3の道を追求しようというADRの理想には遠く及ばないことは言うまでもありません。
逆に、訴訟とは異なった解決方法や解決内容を求めたい場合には合意と説得の方法でオーダーメードの調停の場を作り出していくことが有意義です。
このように調停の場をどのように作り出すかは説得と合意(交渉)を手段とする当事者と調停委員会(裁判所)の力量と能力に委ねられているのです。

カ 訴訟(裁判)の活用

里親譲渡問題は訴訟にまで発展する場合が多い事案です。
ペットの引き渡しやペットの寿命や健康状態について考えるとできる限り合意と説得による解決が望ましいのですが、実際は、人間の協議離婚の親権者指定とは異なり、ペットの場合には、説得と合意による解決が難しい場合が多いです。
特に里親契約の譲渡人はやむを得ない事情により里親に出す場合が多いので、ペットに対する愛着は強く、別れた後になってから気持ちが変わる場合があります。
そこで、里親契約の無効やトライアル条項を根拠にペットの返還を求めることになります。
他方、里親もペットに対する愛着は強く、里親がペットの飼養を続けること不安を感じているので、返還には容易に応じません。
金銭で調整できるような事案とは異なり、お互いにお金の問題ではないと考えているので、説得と合意による解決(和解)が難しいのです。
具体的な訴訟戦略や戦術については一概に説明することはできません。事案ごとのオーダーメードの戦略や戦術を策定する必要があります。
ただし、勝訴判決を得た場合、相手方が任意の引渡しに応じないときは強制執行(動産執行)によって強制的に引き渡しを実現することになりますが、ある意味、動産執行の問題が1番の難問であると言えます。

渡邉弁護士は過去に動産執行によって犬の返還を実現した経験がありますが、ある事件の流れの中で高裁裁判官の弾劾裁判の訴追請求人として活動した忘れられない経験があります。

10 強制執行による引渡し強制

今回は、ペットの返還の手続きについて、強制執行を中心に実践に役立つノウハウを説明します。いつもの通り、全て渡邉弁護士の経験に基づくものです。
調停・和解・示談などの双方の合意による返還の場合は任意の引き渡しが期待できるのですが、合意ができずに訴訟となり判決で引渡しが命じられた当事者が任意に返還に応じない場合には引き渡しの強制執行が問題となります。
ペットは不動産ではない有体物なので、強制執行法の世界では動産執行の対象となります。
但し、ペットならではの特殊の配慮が必要です。

11 動産執行とは?

(1)裁判で勝訴しても直ちに返還はできない。

原告が裁判で勝訴しても、被告にペットの返還を命じる判決書が出されますが、それだけでは、ペットの返還は実現しません。
判決書に仮執行宣言が付されているか、または、判決が確定した場合に原告は強制執行(動産執行)によって強制的に引き渡しを実現する法的権限が認められます。

(2)判決の確定と仮執行宣言

三審制が取られている我が国では、敗訴者は上級審で再度審理を求めることができますが、上級審でも一審の判決が維持され、これ以上裁判で争うことができなくなったときに判決は確定し、返還請求権者が引渡しの強制執行をすることができる法的権限を取得します。
また、返還請求権者は、判決で仮執行宣言(ペットの引き渡しの仮の強制執行を認める)が付された場合には、判決が確定しなくても仮の動産執行をすることができる法的権限を与えられます。

(3)動産執行の申立て

動産執行は地方裁判所の執行官が動産の所在する現地に出向いて、相手方の動産を強制的に剥奪する手続きなので、勝訴した原告(返還請求権者・債権者)は、執行官に対して動産執行の申し立てをします。
しかし、申し立てをすればあとは執行官が全てやってくれるわけではありません。
債権者は執行官が現地で円滑安全に執行するために必要な資料(現地までの経路や動産の所在場所を記した地図など)やスタッフ(施錠業者、運送業者など)を準備しなければなりません。執行官との打ち合わせは必要ですが、執行官は裁判所に常駐していないので、電話等を活用して限られたタイムスケジュールで要領よく行う必要があります。

12 ペットの強制執行の実際

(1)動産執行によって強制的にペットの返還を実現した弁護士はあまりいないと思うので、渡邉弁護士の動産執行の経験に基づくノウハウをいくつか紹介したいと思います。

(2)ペットの動産執行の特殊性

皆さんの動産執行のイメージは債務者の金銭的価値のある動産を差し押さえて競売して債権者に配当する金銭債権回収の手段というものでしょう。
渡邉弁護士は今まで会社の工場や倉庫などに執行官と一緒に臨場して、大量の商品や製品やソフトウェアなどを差し押さえた経験が何度もありますが、買受人(落札候補者)の手配や債権者保管の場合の搬出用のトラックの準備、執行官の差押動産の目録を作るために必要な動産評価の専門家(債権者の社員等)を同行することも必要になります(渡邉弁護士自身が評価したこともあります。)。
しかし、ペットの返還請求の動産執行は、執行官が現地に臨場して強制的に動産を相手方かの占有から剥奪することは同じですが、金銭債権の回収とは異なり、場合によっては現場で差押及び競売によって動産を換価して金銭を配当するのではなく、動産を債権者(裁判で勝訴した原告)に引き渡す(手渡す)、すなわち、相手方から剥奪した占有物(ペット)の占有を債権者に移転することで目的を達成します。
もっとも、ペットの場合には物とは異なった債権者の注意が必要です。いかにペットを安全確実な方法で引き渡しを受けるか?執行のチャンスは事実上1回しかありません。失敗は許されません。
債権者はあらゆる事態を想定して安全確実かつ迅速に引き渡しを受けられるように、現地で何が起こっても対処できるように、想像力をフル動員して、十分な準備をしなければなりません。

(3)ペットの特定

執行官は、ペットを現認する際に、判決書に書かれたペット特定情報と目の前にいるペットが一致するか視認して確認します。完全に一致しないと執行官は執行をすることが出来ないので執行不能となります。
マイクロチップ情報が確実なのですが、マイクロチップがない場合は外見や身体の特徴などで補うことになります。

(4)情報管理

執行は一発勝負です。
相手方からすると不意打ちの状態で執行されなければなりません。事前に執行に関する情報が相手方に漏れてしまうと、または、最初の執行が失敗すると、事実上ペットの執行に大きな支障が生じます(刑事民事の対処規定はありますが)。執行に関する情報の秘密を厳守して、最初の執行で確実にペットの引き渡しを受けなければなりません。

(5)ペットの所在場所や飼養状況の調査

相手方の生活状況や飼養状況の調査など執行場所に円滑確実に到達するための事前調査が必要です。
ペットの飼養場所や飼養状況が分からないと、たとえば、執行してもワンちゃんは散歩中で執行不能ということになります。探偵の利用を検討する必要もあります。

(6)執行の準備

執行を円滑確実に行うために、現地の状況、ペットの所在場所までの経路、交通手段、クルマの駐車場所、錠前取扱業者や警察の協力の手配、立会人・執行官・錠前取扱業者などのスタッフとの打ち合わせ場所を確保する等の執行の準備をする必要があります。
そして、現地の相手方から視認できない近隣地に集合して一同が同時に臨場する必要があります。

(7)移動方法

ペットの心身はストレスや環境に影響を受けます。
ペットの種類や体型、移動距離や時間の長短に応じて移動方法を検討する必要があります。
夏季や長距離移動の場合、ペットが高齢の場合などにはペット専用タクシーの利用を検討する必要があります。

(8)人的トラブルの対応

執行の現場で、相手方から交渉の申し入れがされることがあります。
申立人は、相手方が引き渡しに協力的か、感情や暴力を伴う抵抗があるか、連れ去りの危険性がないか、などの状況に応じて即断即決の対応が必要とされます。
執行官は実行を事務的に行うだけなので、申立人が代理人と相談しながら決定することになります。
執行の事前準備・従前の交渉や訴訟の過程での相手方の態度・相手方のSNSでの発信内容なども参考になります。

13 最後に

執行は一発勝負です。
だからこそ、相手方もペットに対する愛情を持っている場合がほとんどなので、相手方がペットの引き渡しには抵抗をすることを想定して十分な準備をする必要があります。

まずは、法律相談のご予約をお入れ下さい。法律相談のあと、そのまま依頼しなければいけないという事はありません。お気軽にご相談にいらして下さい。

弁護士が直接お話を伺います。その上でお客さまにとって最善の解決策をご提案いたします。相談のみで解決した場合はこれで終了となります。

弁護士から解決策や費用などの具体的な提案があります。その上で依頼したいかどうか判断して下さい。もちろん、持ち帰ってお考え頂いて結構でございます。

委任契約後、弁護士は直ちに活動を開始します。その後は、こまめにお客様と連絡をとって進捗状況を報告し、お客様のご意見を伺いながら、案件の対応を進めていきます。

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