遺留分とは、一定の相続人が相続に際して取得することが法律上保障されている相続財産の割合のことです。
自分の死後、残った財産をどのように分配させるかは基本的にその人の判断に委ねられており、遺言を作成することによってその意思を実現することができます。
しかし、他方で相続制度は、遺族の生活保障や潜在的持分の清算という機能も有しているため、その機能との調和を図るため、遺留分制度が設けられました。
遺留分を有するのは、相続人のうち、
です。
被相続人に配偶者も、子も親もいなかった場合、被相続人の兄弟姉妹が相続しますが、兄弟姉妹には遺留分はありません。
相続財産に対する遺留分の割合は、誰が相続するかによって異なります。
相続人の中に、被相続人の直系卑属又は配偶者がいる場合、遺留分の割合は、相続財産の2分の1です。
相続人が被相続人の直系尊属のみである場合、遺留分の割合は3分の1です。
まず、自身の遺留分を侵害している者(遺言によって大部分の遺産を相続した人などです)に対して、遺留分侵害額請求権を行使する旨の意思表示をします。
なお、遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び侵害額請求すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅するとされていますから、証拠に残る方法(内容証明郵便)により確実に行う必要があります。
もし、相手方が遺留分侵害額請求に応じない場合は、家庭裁判所に対して、調停の申立てをすることになります。
それでも決着がつかない場合、地方裁判所(又は簡易裁判所)に民事訴訟を提起することになります。
遺留分侵害額請求が調停や訴訟で問題とされることは珍しくありません。
その実質は遺産分割事件であり、遺留分算定の基礎とされる財産(特別受益)やその財産の評価をめぐって激しく争われます。
注意しなければならないのは、遺産分割事件と遺留分侵害額請求事件では、実質が同一でも、家庭裁判所の手続が異なることです。
遺産分割事件は、調停不成立の場合には審判手続で取り扱われますが、遺留分侵害額請求事件の場合には民事訴訟の提起が必要となります。
渡邉アーク総合法律事務所
〒106-0032 東京都港区六本木7-3-13
トラスティ六本木ビル8階(東京ミッドタウン前)
0120-41-7565 または メールフォームで送る
予約は24時間受け付けています
原則として平日9:30~17:30
但し、24時間受付
予約で土日祝日営業時間外も法律相談対応