建物建築を目的とする契約には、建築請負契約、売買契約、製作物供給契約等の種類がありますが、ここでは建築請負契約を前提にご説明します(売買契約、製作物供給契約も基本は同様です。)
注文者は建物に瑕疵(欠陥)あるときには、請負人(建築会社)に対し、瑕疵の修補に代えて、又は瑕疵の修補とともに、損害賠償の請求をすることができます(民法634条2項)。
欠陥がなくなれば被害が回復され、請負人も持ち出しを最小限度に押えることができるのですから、本来は、瑕疵修補請求によって解決することが合理的であるともいえそうです。
しかし、実際は違います。
注文者は、欠陥住宅を作り出した建築会社を全く信用していないので、信頼できる別の建築会社に補修工事を依頼することを希望します。そのため、注文者は瑕疵修補費用相当額の損害賠償請求をすることが通常です。
ところが、別会社が提示する見積金額と、請負人の提出する見積金額との差額が大きいために、訴訟による解決が図られる傾向にあるのです。訴訟を回避するのであれば、民事調停や住宅紛争処理センター、都道府県建築紛争審査会等の、司法や行政による協議と合意による解決方法(ADR)を利用することが考えられます。
瑕疵修補請求をするためには、注文者と請負業者が、適切な補修工事の内容について十分に理解していなければなりません。請負業者と注文者とで、適切な補修工事の解釈が異なることが通常だからです。特に、外壁のひび割れや雨漏りについての見解の相違が顕著です。
注文者は、請負業者に対し、専門的知見を基にした客観性がある補修内容を提案する、他方、請負業者も、注文者に対し、専門的知見を基にした客観性がある補修内容を提案することがトラブルの早期解決のためには必要となります。
自分の経験や考え方で交渉すべきではありません。このような客観性のある補修内容をベースにして、注文者の感情や不便への配慮、金銭の支払いによる調整等について協議することをお勧めします。
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