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交渉を嫌う当事者

1 最初に

前回はペットトラブルの解決方法について全体像を述べましたが、その中でいくつかのキーワードを挙げました。今回はトラブルが発生した場合の初動(初期対応)について説明します。
なお、この文章もそうですが、私の書く文章は全て実際の経験と理論に裏打ちされたものです。

2 初動の大切さ

初動とは事件が起きた場合の相手方に対する最初の対応をいいます。
この対応が上手くできると早期の示談解決につながり、失敗すると解決困難な紛争の泥沼化に陥ります。
初動は極めて重要で、スキルと戦略が必要とされますが、多くの方は気づかないか、軽視しています。
当事者は、お互いに相手方を憎み、裁判をしようとし、相談を受けた法律専門家も裁判を起こしたら勝てると言う〜ペット訴訟の経験のない専門家が裁判の勝ち負けを語り、裁判を勧め、ペット訴訟の経験のない当事者が勝訴判決の自信を深め、裁判の決意を持
つ〜これがペット訴訟に至る多くの過程です。 問題は判決に至るプロセス(途中、誰が何をすべきか?)の認識が抜け落ちていることです。これは、誰も裁判をしたことがないのですから当たり前のことです。

3 複数の選択肢の中からもっともコスパの良い方法を選ぶ。

ペット事件において、裁判を起こすことは実は難しいことではありません。裁判を維持する方がはるかに大変です。勝つためには必死の努力が必要ですが、自分だけではなく、相手方も必死の努力をしてきます。
勝つためには、時間、労力、資金、そして何よりも最後まで戦い抜く決意が必要です。
まさに裁判は「戦争」なのです。
だからこそ、初期対応の場面では、裁判に限定せずに、交渉も含めた複数の選択肢を準備すべきなのです。
その時点での最善の選択肢を、コスパのもっとも良い選択肢を選べば良いのです。
初めから裁判と決めてかかることは自分で自分を縛ることになります。他の最善な選択肢を失うことになります。
複数の選択肢の中から最善の選択肢を選ぶためには、法交渉心理学の知識と経験が不可欠です。

4 裁判か交渉か?

複数の選択肢の中から初期対応を検討した結果、裁判が最善の選択肢ということもあるし、交渉が最善の選択肢ということもあります。 また、交渉を選んだ場合でも、交渉の方法と戦略には複数の選択肢があるので、さらに交渉の中でもその時点での最善の選択肢を選ばなければなりません。
このような過程を経て、複数の選択肢の中から最善の選択肢が決まります。
このことから明らかなように、実はペットトラブルの解決方法は事案ごとに異なるオーダーメイドであり、ある決まった解決方法があるわけではないのです。ですから、他人の成功談もあまり当てにはなりません。

5 最後に

咬傷事故や獣医療過誤は裁判になりやすい。しかし、裁判によらないで示談解決したケースもあります。
その場合はお互いの代理人が交渉スキルとマインドがある場合です。皮肉にも、日本の弁護士よりは米国弁護士の方が示談解決がしやすいと思います。交渉に対する認識と姿勢には彼我の違いがあるからです。
選択肢を出来るだけたくさん持ち、その中からその時点での最善の選択肢を検討する心構えを持つことがペットトラブルの合理的解決のための唯一の「選択肢」なのです。

まずは、法律相談のご予約をお入れ下さい。法律相談のあと、そのまま依頼しなければいけないという事はありません。お気軽にご相談にいらして下さい。

弁護士が直接お話を伺います。その上でお客さまにとって最善の解決策をご提案いたします。相談のみで解決した場合はこれで終了となります。

弁護士から解決策や費用などの具体的な提案があります。その上で依頼したいかどうか判断して下さい。もちろん、持ち帰ってお考え頂いて結構でございます。

委任契約後、弁護士は直ちに活動を開始します。その後は、こまめにお客様と連絡をとって進捗状況を報告し、お客様のご意見を伺いながら、案件の対応を進めていきます。

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