
前回は、病院の2次対応の失敗が飼養者に強い対立感情を抱かせ、その対立感情がより強い対立的行動のエネルギー(原動力)となってしまうケースが多いこと、それを避けるためには病院側は患者側に対する認識を改めなければならないことを述べました。それではどのように認識を改めれば良いでしょうか。
「患者側は〇〇だ!」という決めつけを止めることです。
患者側の病院に対する要望は多種多様であり、病院側との人間関係の様相も多種多様です。
具体的な交渉戦略や戦術を検討する場合には十分な情報に基づいた患者側の個性や特徴に応じた個別具体的な検討が必要となります。
大切なことは、病院側の要望と患者側の要望のマッチングです。病院側は患者側の要望をよく分析して対応しなければなりません。特に代理人がいる場合には代理人の説得の可能性が視野に入れられなくてはなりません。
私の経験上、「三下り半」的な対応をした結果、進むことも下がることもできず、交渉による合意可能性を自ら否定して、訴訟を招き入れてしまったケースが後を絶ちません。
患者側がいきなり法的責任を求めることは通常なく、きちんとした説明を求める場合がほとんどです。診療や施術の事前説明がなかったケースと圧倒的に多いのは説明が不適切であった場合です。
後者の場合、説明の仕方が問題となります。
言葉だけの説明では不十分な場合があります。客観性がないからです。カルテなどの診療記録を活用することが必要な場合があります。
ペットサロンやペットホテルなどの事故の場合には説明とあわせて事故の再発防止策などの将来の対応を質問される場合がありますが、病院の場合はこのようなことはなく、悪い結果になった理由を求められます。
ところが、この説明が患者側の知りたいことを避けたり、ごまかしたり、隠したりしたために患者側の病院に対する不信感がいっそう高まり弁護士や裁判所に持ち込ませることになります。
まず、獣医師側は患者側から説明を求められたら、
法的交渉心理学については、当事務所のHPの『法交渉心理学入門(連載)』をご参照ください。
渡邉正昭弁護士はこのような法的交渉心理学の研究と実践を長年続け、多くのペット問題を解決に導いてきました。
その間、たくさんの猫や犬を飼養し、ネコ語が分かる弁護士として紹介されています。
また、動物問題の専門弁護士として日本介助犬協会の役員を長年勤め、身体障害者補助犬法の成立、普及に長年従事してきました。
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